コラム

倉庫・物流業×建設業の
M&Aの動向とメリット

昨今、物流業において自動化や革新的なロボットの導入など最先端技術の導入によるイノベーションが目まぐるしく起こっています。 人手不足も相まって大手からスタートアップまで様々な企業が積極的な投資を行っており、その注目度は高まるばかりです。
今回は物流・建設業界のM&A動向とメリットについてお話しします。

倉庫でのロボット導入

最先端技術を導入するイノベーションの中で大手企業を筆頭に様々な倉庫の自動ロボットの設置が広がっています。 板金加工、塗装、物流倉庫でのピッキング・搬送などあらゆる分野にロボットが活用され省人化かつ生産性向上の助けとなっています。 また、ミスも減りあらゆるものがデータ化され、品質向上・事故率低下への貢献も大きいと言われています。

ロボットの導入・設置に許認可の壁

ロボットを制作・販売するビジネスを行う企業があったとして、そのロボットを導入・設置には場合によっては建設業許可が必要になることが多くあります。 これは機械器具設置工事という業種にあたり、ロボットを導入にあたり運搬して据え付けを行うことが工事とみなされ、製品価格含め500万円を超えてしまう場合、機械器具設置工事の建設業許可が必要となります。 ロボットを運び入れるだけであれば、とび土工コンクリート工事という工種の建設業許可で許されることもあります。

建設業許可の取得は難しい

ロボットを制作・販売するビジネスを行う企業が建設業許可を有していることは想定しづらく、また、建設業許可の取得には、その会社に建設業に係る5年以上の経営経験者と機械器具設置工事に係る国家資格者の在籍があることが求められるため、難しいと言えます。
実際に弊社でも機械・ロボットの販売会社が建設業許可を取得できずお困りの相談ケースは多くあります。

M&Aの一手

こういった場合に活用されているのがM&Aです。大型機械やロボットの販売・導入支援を行う会社が建設業許可会社を買収することにより、その据え付け工事までを行う機械器具設置工事までカバーすることができます。 また、建設業者は数人の小規模の法人であっても経験者と国家資格者が在籍していれば建設業許可を取得・保持することができるため、M&Aの価格自体も安価で済むケースもあるでしょう。

M&Aで事業成長に加速を

M&Aはこのようなケースに見られる通り、自社が不足している能力をM&Aを活用し補い、事業成長をより促進させることができるものです。
特に業種をまたぐような許認可事業の場合、その効果は大きくなることも。社内で一から育てるよりも外部からM&Aで取り入れる。スピードが求められる時代には欠かせない戦略の一つだと言えるでしょう。

ライター紹介
道原 信治
道原 信治 氏
行政書士法人Dee 代表行政書士