成約事例

買い手企業ご紹介 Vol.01

トーキョー工務店を経営される野坂様。どのような目的でM&Aをされているのか、またどのような基準で譲渡企業を選択されているのかをお伺いしました。
建設業界の課題解決を目指して2030年には社員100名、売り上げ100億円にする目標を掲げておられます。

インタビュアー

ブティックス株式会社 大塚

【大塚】建設の事業を始めるきっかけは何だったのでしょうか?

【野坂社長】大学を卒業後、総合商社、その後投資銀行へ入り、プリンシパル投資や、企業再生のビジネスを担当していました。 その際、不動産関連の事業に関わることが多かったことから、まずは不動産会社を起業しました。 そうした経緯から、建設業界特有の課題をたくさん見てきました。具体的には、建設会社の合理的でない部分、透明性がない部分です。

買い手企業ご紹介

アメリカではゼネコンは存在しません。 コンストラクションマネージャー、という役割がいて、施主の代理として工事の組み立て、各交渉や段取りをしていきます。 ですので、コンストラクションマネージャーが協力会社も含めて現場の全てを把握しており、透明性があります。 しかし日本の場合、施主がゼネコンに依頼し、ゼネコンから先は施主には何が起こっているかわからない状態なので、透明性がないのです。 そういった透明性がない部分を改善したいと思ったのが、建設業をやりたいと思った一番の理由です。

買い手企業ご紹介

【大塚】金融業界から不動産、それから建設ゼネコンと移っていくことにされたのですね。建設会社はどのように始められたのですか?

【野坂社長】ゼネコンをやると決めたとき、建設会社を1社作るのか、または買収するかということを検討していました。
ちょうどその時ご縁があり、M&A仲介会社と銀行に仲介していただき、工務店を4年前に買収することになりました。もとは板橋区にある社員3名の工務店でした。 それを買収し、その後トーキョー工務店へ社名変更して現在に至ります。

【大塚】最初のM&Aは他社仲介と銀行とのことでしたが、弊社ブティックスを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

【野坂社長】今後もM&Aをしていこうとなったのですが、それまではブローカー経由であったり、たまたま話があった企業を紹介していただいたりということをしていました。 しかし、それだけではいい企業はなかなか見つからないため、インターネットでM&Aや事業承継について調べていたところ、ブティックスさんのHPが出てきました。 建設に特化したM&Aを手掛けていらっしゃるというところに非常に興味をもち、問い合わせをしました。

【大塚】どのような目的でM&Aを進めることにされたのでしょうか?

【野坂社長】建設会社のバックオフィスの負担はかなり大きく、経営課題となっています。そこで古い中小の建設会社が同じような悩みを抱えているのであれば、 解決策を持つ我々が事業承継をしていくことで、建設業界の課題解決になっていくのではないかと思っています。 2年ほど前から建設会社のロールアップをやっていくということでいろいろと情報を集め、何社か事業承継を引き受けることが出来、気が付いたら5社1部門引き受けていたという状況です。
また、人員採用の面でも事業承継は良いと思っています。
実はこれまで事業承継で入社された社員はほとんど辞めていないのです。建設業は一人でできるものでもないですし、相談しながら作り上げていくところがあります。 そうした中で中途採用の場合、グループになじめず、辞めてしまうということもあるのですが、事業承継の場合は、すでにグループとなっている方たちが入ってくるため、そういった問題が出ないのです。

【大塚】それはすごいことですね。譲受された企業には一人親方の方もいたのではと思いますが、そういった方にはどういったことを期待されて譲受されているのでしょうか?

【野坂社長】そうですね。まずその方が今後のキャリアをどのように考えているのか、何をしたいのかを聞くことを心掛けているのですが、 やはりみなさん今までやってきたことを社会に還元したいという気持ちを持っている方が多いですし、私としても、まさにそこをお願いしたいと思っています。
小さい会社では採用もままならず、技術の承継は難しいですが、当社はSNSで発信したり、若い人の採用もしています。 今まで培った経験を伝えていくことができる機会があり、技術の承継ができるということは、自社を譲渡する経営者の方にも従業員にも、 特にベテランの方こそ、やりがいにつながるのではないかと思っています。
実際に譲受して社員として入ってきてくださったベテランの方の実例ですが、最初は「すぐに辞める」という話をされていましたが、 若い人を育ててほしいとお願いしたところ、いまでは、「下についた社員が育つまでは辞められない」、と頑張ってくれています。

【大塚】建設業界には協力会社とのつながりも重要かと思いますが、買収後、協力会社への説明などで気を付けているところはありますか?

【野坂社長】特にはないです。弊社はすでに年商30億になっているので、逆に取引先には安心なのではないでしょうか。 また、支払いサイトも短く設定しているので、協力会社様の資金繰りも改善することが多く、その部分も喜ばれています。

【大塚】引継ぎ後の計画やPMIで気を付けているところはありますか?

【野坂社長】急に変えない、ということです。必要なDXの導入はすぐにやりますが、組織を変えるところは慎重に行っています。 引き受けたあとはその会社を事業部として残しています。カンパニー制とまでは言いませんが、譲渡前と同じメンバーで仕事をしていただく場合もあります。
というのも、やはり10年一緒にやってきたメンバーへの信頼と、そうではない新しい人への信頼とは違うからです。 工事で現場監督に何かを隠されたり、嘘をつかれたりすると大惨事になってしまいますから、オープンに話せる組織を残すことは大切だと考えています。 譲受後、メンバー同士が打ち解けてきたのを確認してから、徐々にチームを変えていくということをしています。

【大塚】M&Aによって社員数も多くなってきたのではと思いますが、リーダー層の育成や採用はどのようにしているのですか?

【野坂社長】中長期的な目線では、次世代に今後の会社を担っていってほしいので、若い人たちには彼らが次のリーダーだという話はしています。 あとは若い社員だけ集め、ヤングリーダーの会という(いまは略して「ヤングの会」になっている)を作り、若い人たちが部署を超えて情報交換をしたり、 会社に対して提言したりという活動を会社としてサポートしています。例えば月に一回飲みに行くならその費用を負担するとか、ヤングの会の活動に業務時間の一部を使っていいとか、ですね。
この「ヤングの会」は35歳未満が対象なので、中途採用だろうと譲受で入った方だろうとその対象になっていれば入っていただいています。
大分、忌憚のない意見をもらっています。

【大塚】今後の目標についてお聞かせください。

【野坂社長】2030年までに社員100人売上100億にするという目標があります。その達成のためにもこれからもM&Aは続けていきます。
そうしたミッションがある中で転職の社員だけを採用するだけでは成長していくことは正直難しいと思っています。 採用できないというわけではありませんが、先ほどお話した通り、定着しないケースもあるからです。
これだと、結果として会社は大きくなれない。この問題を、事業承継をすることで解決し、成長していきたいと思っています。
また、そこには社員の学びの要素も入れていきたいです。うちの会社に来たらベテランから若手への技術、経験を継承する機会があり、 学びの要素が教える側、教わる側にあることで、双方のやりがいにつながれば本望です。

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